キーボード紹介

 お気に入りの所有キーボードを書きます。key image

 所有機 概観
 所有機(番外篇)
 キーボードについての述懐



DELL SK-D100M (日本語106key)

dell keybord
 なんというか、こいつは私にとって大当たりのキーボードだったのですが、これを打ってしまったらもうそこらの三文な品物はいやになるほどです。
 もともとはDELLコンピュータに付いてきていた付属品で、ですからオリジナルから所有している人はけっこう年代物の(486CPUあたりの)ユーザになるかと思われますが、意外とジャンクなどでころがっていたりもします。特に単体で売りに出されたという経緯もないようですから、まあめずらしい傑作ですね。
 このメカニカル・キーボードの特長は、打鍵感がとにかくストレートというに盡きます。キーボードのなかには、やたらに主張が強すぎて辟易するものもあるのですが、これはそんなことはなくて、ちょうどいい感じのキータッチの堅さがあります。よくメカニカルは音がうるさくて嫌う人がいるのですが、甲高い耳障りなものがあるからそうなんだと思います。このキーボードもたしかに決して静かではないのです。けれどもそう下品な音でもありません。



IBM 5576-002 (日本語準106key)

ibm keybord
 別名「5576keyboard2」ともいう、これまたいまでは入手困難な銘機です。先のDELL106に比べると、キータッチはむしろ上品なんですが、見た目はかなり剛毅な逸品です。
 もっとも、私はなぜかIBMキーボードには縁がないようで、002も悪くはないのですがいまいちDELLほどには惚れ込んでいません。キータッチが独特過ぎるのがいけないのでしょうか? この筐体に、DELLのキータッチなら最高なんですけれどもね。Windows2000では標準で5576-002用のドライバが使えないようになっている(実は手動で設定すればいいんですが)のも、ちょっと面倒なところです。
 これも上のSK-D100Mと同じく、ALPS製のメカニカル・スイッチを使っていて、広い意味では同族になるわけですが、そこはIBMらしく、おそらく特注の他に類を見ないタッチのスイッチになっています。また、時代的に106キーボードが定着する前の頃のプロダクトですから、キーレイアウトがやや現行の日本語キーボードとは異なります。



FILCO FKB-109J Big (日本語109key)

filco keybord
 これまた同族のALPSスイッチ系のメカニカル・キーボードです。年代的に新しいものなのでまだヘタりがなく、FILCOブランド独特の「チッ」というクリック音とも相俟って、なかなか派手な打鍵感を誇ります。
 このキーボード、実売ではかなり高価なところもあったり、そうかと思えばものすごく安い値段がついていたりするショップもあったりして、まるで裏柳生みたいに謎の多い品物です(笑)。私はいきつけのお店で、たまたまレジのところに置いてあったこいつを発見し、誉めていたら在庫で一台だけ残っているのが発覚したので入手しました。大工道具でもそうなのですが、道具は新品を買うよりも人の使っていたもののほうを職人は好みます。こいつよりも、レジで酷使されていたやつのほうがちょうどよくヘタっていたのですが、・・・まあしばらく叩いているうちに味が出てくるのでしょう。
 どうも私のキーボードは、こうしてみるとどれも駒のデカい大振りなものが多いです。最近の Logicool あたりの洒落たデザインのものにも慣れないといけないのかもしれませんが、どうしてもヘナヘナなあの手のキータッチでは感じがでません。かえって指が疲れるんじゃないかと思うのですがねえ。



FILCO FKB-109J (日本語109key)

filco keybord
 それにしてもキーボードというのは写真で見るとあまり違いがわからないものですが、これは特長あるモデルです。上述の109J-Bigと同じFILCOブランドの製品です。
 キータッチは非常によく、惜しいかなレイアウトが独特なので慣れないと戸惑うという欠点を除けば、実によくできたモデルだと思います。コンパクト&メカニカルという条件を兼ね備えているために、根強いファンも多いです。このモデルの後継で、ややキーストロークの浅めになった「FKB-107J」(翼)というのもあります。
 このキーボードは意外に難物で、特に標準フルキーに慣れた人ほど使いこなすのに時間がかかるのではないでしょうか。サイズ的にはちょうどテンキーを取り払ったくらいの幅で、そのなかにキーとしてはフルキーがそのまま詰め込まれているわけですから、やや右側の機能キーのあたりが窮屈で誤打する場合があるのです。私はなんとなく慣れましたが、キータッチのよさと場所をとらないという点ではわりにベストなものと思います。

▲ Topへ 



 番外 〜 キーボード・その他 〜



DELL AT103 (日本語106key)

dell keybord
 現在メインで調整中のキーボードです。キータッチは上述のSK-D100Mに似ています(というよりもDELL特有のそれです)が、ストロークが浅めでバネが渋いようです。人によってはこちらのタッチのほうを好むかもしれません。
 AT103はこの巨体から、「Big Foot」とも呼ばれます。ここまでデカいと安定度は抜群で、古いIBMキーボードといい勝負ですね。私の知るところでは、このサイズで日本語106配列のキーボードはめずらしく、AXキーボード(これは106キーではなく独自規格による配列ですが)や英語キーボードにあったフルサイズからの流れなんでしょう。したがって、現行キーボードの大半を占めるフルキーのモデルは、もともとはミディアム・サイズという位置づけになっていると推察されます。
 しかしいいキーボードを出していたのに、御多分に漏れず昨今はDELLも切れのないタッチのキーボードに様変りしてしまいました。この時期のメカニカルDELLが大好きな私は、何種類も持っているのですが、おもしろいことにまったく同じ型番でも微妙にキータッチが異なっていたりします。



FILCO FKB-109J-C (日本語109key)

filco keybord
 標準サイズながら全体がスケルトンになっていて、その素材の関係かしらキータッチが他のFILCOキーボードよりも軽く、シャキシャキしています。
 古いキーボードは結局ボロなところがあるし、いま風のキータッチでないと、・・・といった向きにはこの型番がいいのじゃないでしょうか。キートップまで同一の(硬化プラスティックか何かでしょう)素材を使っているせいで、タイプ音もだいぶ抑えられていますし、ボディ全体の厚みも薄くなっていて使いやすいです。なんとなくミーハーなモデルという印象がありますが、実力はFKBシリーズ中No.1かもしれません。かなり打ちやすいです。
 あえて難点を挙げれば、フル・スケルトン仕様の功罪でキートップ部の印字が角度によってはやや見えにくい、印字のチープさはFILCOのこのシリーズに共通するところです。もっとも、この点はどのスケルトン・キーボードにもあることですから、慣れれば問題ではありません。一般にFILCOのキーボードは硬質なキータッチが身上なのですが、このモデルに関しては柔らかい印象を受けます。ちなみにこのキーボードで長時間高速にタイプしてみたところ、腕の疲れはいちばん少なかったです。



IBM 5576-A01 (日本語106key)

ibm keybord
 最近入手しました5576-002の後継キーボードです。落着いたお兄さん格の002と比べて、やや生硬な感触のあるA01というイメージですが、こちらのほうがメカとしては伝統的な「バックリング・スプリング BucklingSpring」機構を採用していて、よりIBMらしいタッチといえるのかもしれません。
 この仕組みは内部のスプリングがキー押下につれて「くの字」に湾曲してゆき、ある地点で弾けたようにクリックを発生させるというもので、002や001型の板バネ式によるものとは根本的に構造が違います。確証はないのですが、メカニカルの耐久性ではこちらのほうがあるという話です。
 バックリング・スプリングの打鍵感は素晴らしいもので、たしかにこれだけはIBMの唯一無比といってもよい専売特許でしょう。繰り言めきますが、なんでこれほどのメカをIBMは廃止してしまったのか、返す返すも残念です。打鍵音は「パシュン、パシュン」という、スプリングの残響音が響く独特な世界でして、人にもよりますがこのキータッチが好きになるとなかなか他では満足できなくなるたぐいのものですね。



Justy JKB-106S (日本語106key)

Justy keybord
 Justyから出ていたコンパクトなキーボードです。(後述のエッセイでも触れていますが)私の所有していた初代機はスプリングの調子が悪くなってリタイヤしていたのですが、故あって再び中古で二台目を入手しました。
 フルサイズとしては限界にまで切り詰めたボディで、しかも厚みも非常に薄く、その外観に違わずキータッチはThink Padなどの高級ノートパソコンのキーボードの打鍵感に似ています。この構造ではメンブレン式スイッチにするしかなかったのでしょうが、単にゴムを押すだけの仕組みではなくて一つ一つのスイッチにスプリングが装着されているという手間のかかった造りです。ですからそれだけの手間がキータッチにも正確に反映されています。
 販売当時は一万円前後もした名作キーボードですが、それもそのはずで、製造元は有名なALPS電気謹製とあります。さすがというべきでしょう。ノートパソコン的なキータッチで最上のものを探すとなればこれ以上のものはなかなか見当りません。・・・もっとも、もうすっかりDELL系統のフル・メカニカルに慣れ切ってしまったため、キータッチは私の手には軽すぎるようです。たまにデスクで使うのも気分転換になっていいのですけれども、このキーボードは機動性を活かして携帯用に使ってもいいのじゃないでしょうか。



DELL SK-D100M 〜ebony〜 (日本語106key)

dell keyboard
 冒頭にご紹介したSK-D100Mを「ivory」、こちらはLEDランプのところが黒いので「ebony」と私は呼んでいます。製造拠点が異なるためか、ebonyのほうは硬質な打鍵感です。
 個体差があるのですが、だいたい私の周辺には二十台くらいのSK-D100Mがあって、(こうなるとお雛さまみたいになりますが)、そのなかでも比較してみると当りのものは数個しかありません。個人的に気に入っている一台のebonyは、なかでも最もじゃじゃ馬なタッチをしています。SK-D100Mは、たまたま出来のよいものに出逢えた人は幸運ですが、中古で多く出回っているのはわりと主張の少ないivoryのほうなので、本来のステディなキータッチが失われて「かさかさ」したものに落ちている場合があるのです。
 不幸にも外れを掴まされた人は後述するようなメンテナンスでキータッチが改善することもあります。いかにもメカニカルな感覚の好きなマニアには、BigFoot直系の締ったタッチをしているこちらの黒いモデルのほうがお勧めですね。



SONY Quarter L Keybord (AX key)

AX keyboard
 これは、もしDELL103に出逢わなければメインになっていたかもしれないSONYのAX仕様キーボードです。キーユニットなどはいうまでもなくALPSで、ご推察のとおりのメカニカルスイッチが使われています。
 AXという早産した規格のうち、結果的に最も功績のあったのはこの英語配列と和文表記(ひらがな部)との巧妙な組合せにあって、時期がまた幸運なことに現在のような安普請キーボードの前であったことから、いまでもこのタイプのキーボードを珍重する方が多いのです。AX規格そのものはIBM PC/ATの精神を履き違えたものか、つまらん国産メーカーの思惑で済し崩しに終りましたが、残されたキーボードだけは後世に名を残すものとなりました。死して皮を残すの典例ともいうべきものでしょう。
 念のためにストックしてある一枚ですが、DELLが永保ちするので未だに現役には復帰していません。コネクタはPS/2ではなくATコネクタで、変換コネクタをかませればちゃんと現在のPCでも使えます。

▲ Topへ 




DELL logo  キーボードについての述懐
 1  2  3

附記

1

 いろいろなキーボードを触っていますが、やはり現在のPC用キーボードの出来の悪さは、異口同音に皆さんが指摘されるところです。たとえば私は以前、JustyブランドからJKB-106Sという、いまの水準からすれば上質のキータッチのモデルをしばらく使っていたことがあるのですが、内部のスプリングがヘタりはじめて結局は使いものにならなくなりました。メカニカルキーといっても、何でもいいというわけではなくて、妙に返りの悪いものとか耐久性に難のあるものだと自然に使わなくなってしまいます。

 キーボードのヘタりというのはある程度はしかたのないこととはいえ、メカニカル・モデルの場合はそのヘタった頃にちょうどいい感じになってくるものです。私がDELLキーボードを好むのも、何年も経ったものでも壊れもせず剛性が残っているという点が大きいです。

 はっきりいわせてもらうと、粗製濫造によるキーボードもどき、電卓に下駄を履かせたような代物が多すぎるのです。そろそろいい加減にメーカーも気づいてほしいのですけれども、コスト削減というのかPCの激しい価格競争の陰でいちばん隅へ追い遣られているのが他ならぬキーボードです。ところが人間の指というような、おそらく最も鋭敏な器官に触れる大事であるべき存在のひとつがキーボードなのですから、これを蔑にしていいことはありません。もはや人間の尊厳に関る問題とすら言えましょう(大げさ)。

*

 キータッチに関しては主観的な好みに大きく左右され、こればかりは実際に打ち比べてみないとなかなか良いも悪いもいえません。一般的にはゴムの反力を利用した最近のメンブレン・キーボードは、旧来からのメカニカル・キーボードに比べて静粛性が高いのですが、そのかわりにキータッチが劣るものが多いようです(そもそもキータッチなど、最初から考えもしていない困りものすら見かけます)。もっとも、メンブレンタイプは何がなんでもだめだとまで断じるつもりはありませんが、・・・どうしてもメカニカルになれた身では剛性感が不足して感じられ、心許ない気持になってしまいます。

 おもしろい話ですが、以前手持ちの5576-002を人に触らせてみたところ、「これはメカニカル・キーボードじゃないですね」という反応がありました。5576-002のキータッチは優れたものだと思うのですけれども、おそらく新しめの粗いメカニカル・キーボードしか知らない人にとっては信じられない類のものになるのでしょう。まあ本体価格とともにやたらに高い値段で売られていた時代の産物ですから、手間のかかっているのは当然なんですが、このころのIBMやDELLといった名作キーボードの場合は製造中止になっていることが多いので(後代のモデルのキータッチは、これには及ぶべくもありません)、なかなかそのキータッチを表現することが難しいです。逆に、こういうキーボードに慣れきっている者にとっては、それが当り前のタッチになってしまっていますので、世間の評判とはだいぶ違う感覚だったりします。

 いまのところ私のお気に入りは打鍵感の派手さでDELL、これがいちばんです。IBMメカニカルのアクの強いタッチも悪くはないのですが、どうも「余計なお世話」というか、高速打鍵ではDELLのそれに比べてややもたつきのあるところが気になります。DELLキーボードのほうがおそらく接点か何かの関係で、表示も速いようです。まあかなり使い込まれてメカがちょうどよく撓っているのも関係しているのかもしれません。・・・などと書く、舌の根も乾かぬうちに新型キーボードが増えてしまっているのですが。

2

 最近はDELLキーボードから気分転換の意味もあって、5576-002やA01を据え置いて使うことも多くなりました。キーボードの質感に関しては前後のメーカー、及ぶところではありませんね。この点で、日本IBMの初期5576シリーズは本当によく出来たキーボードです。全体に無骨なデザインなので、女性にはどうかな? と思えるのですが、十年以上経ったものでも変色もなく、乾拭きすれば見事に蘇るのはさすがです。IBMの事務職カラーとでも称すのでしょうか(^^;?

 私はもっぱら日本語(JIS)キーボードの愛好家ですから、英語版キーボードは他所の世界の出来事と抛っておいているほうですが、参考までにIBM-PC用初期型モデルと手持ちの5576-A01とを比較した写真を載せます。

PC/AT 84key 5576-A01

左がPC/AT機に付属していたオリジナルの84keyキーボードで、右は時代を経て造られた日本語106keyのA01です。A01のほうは、パッと見た目は5576-002と区別がつかないほどよく似ていて、実際に二機は双生児のような間柄なんですが、こちらのほうも106キーボードの第一作というか、後の日本語キーボードの亀鑑のようになったモデルですから、東西の銘機の揃い踏みです。

 念のために言い添えますと、もはや前者のオリジナル84キーモデルは稀覯品で、中古でもそう見ることはありません。こうしてあらためて眺めてみると、前者の84keyの面影が後代の5576モデルにも承け継がれていることがわかります。LEDランプのあたりなどあからさまに親戚筋ですね。やや細かいことを言えば、A01ではキータッチが日本語入力には辛いところがあって、キースイッチの手間のかかり具合が002ほどではないので、私は繊細な002のほうを好んでいます。

*

 もともとコンピュータ用のキーボードなら電気的な接点で入力は済みますから、原理的にキータッチはいくらでも軽くすることができますが、軽ければいいというものでもないです。そもそもIBMを持ち出すまでもなく、かつての国産機やワープロ機などには稠密と言いたくなるほどの非常に精度の高いキーボードがありました。それは小気味の良い程度のクリックがあり、しかも上品でゲタゲタうるさくない高度なメカニカル・キーボードでした。そんなのが当り前だった時期がたしかにあり、それからすればPC用キーボードなどはまだまだ素朴なほうで、私はいまでも国産の技術をもってすればIBMキーボードなど遥かに陵駕するメカニカルが造れるはずだと思っています。やはり偏にコスト削減のせいなのでしょう。

3

 従来の106キーボードに、『Windowsキー』二個と『Applicationキー』を追加して、109キーになった配列が最近の主流です。これは要するにマウスでもできることをキーボードで行おうという発想でしょうが、往年の名キーボードは106配列ですのでそのままではこれらの機能は使えません。これらのキーはなくても特に困るものではありませんが、『Application』キーなどはマウスの右クリックをキーボードで行なえるので便利だと思います。(下図参照)

application key

このように、キーボードの右手手前にちょこんとあるキーですが、これが106キーボードでは物理的に存在しません。拡張キーの増設によって、ただでさえ手前のキー配置の狭苦しい日本語キーボードが余計に使い難くなったという意見もあり、私自身は折衷型で、106キーボードを使うときは自分なりにカスタマイズして、必要なキーコードだけをソフトウエア的に生成して使うというやりかたを採っています。

 キーカスタマイズ用のソフトウエアとしては、リンク集のページで紹介しました AltIME を使えば改変が可能です。以下に標準的な106keyのキーコードをフックして、好みのものに換えるための定義例を紹介します。ただし私の常用するキーアサインは:

標準
 「半角/全角」
 「Caps Lock」
 「右Alt」

->
->
->
改変後
「Esc」
「左Ctrl」
「Application」

というふうに入れ替えたスタイルですから、ちょっと気になる人は適時読み替えて試されるとよいと思います。私にとって、上記のキーは普段まったくといっていいほど使わないので、頻用度の高いキーへ変えているわけです。「右Alt」キーを失くすのがいやな場合は、その隣りの「ひらがな」キーで代替してもいいかもしれません。

 これを AltIME の定義に直せば、
/2901/3A1D/B8DD

となります。たとえば「全角/半角」の16進コード "29" を「Esc」の "01" に換えるには「/2901」と書きます。109キーボードの人などは「/D8DD」の部分は省略できます。この要領で、たとえば使いにくい変則キーボード類などもカスタマイズできるわけですが、参考のためにもう一つの例として、IBMの 5576-002 を同じようにカスタマイズする定義例は以下の通りです。
/3A1D/7701/7038/B8DD

 002型は古いキーボードなので、現行キーボードのような「左Alt」がこれで実現し、ついでに「Application」キーも設けています。

*

 キーボード自体のカスタマイズというか改造は、やろうと思えば配線基板にまで手を入れてしまう大技があるのですが、一般にはなかなかそこまでは難しいでしょう。しかし簡単な改造ならできますので、私の常套手段となっている方法をいろいろご紹介します。


 シリコンスプレーの貼付

 スムースでないキーや、全体に少し重すぎると感じたときにスイッチ部にこれを貼付してやります。効能はたしかにありますが、効きすぎるとクリッカブル・スイッチがほとんどノンクリックになってしまう場合もあるようです。私はノンクリックでも気にならないほうですけれども、安全のためにはテンキーあたりの無難な箇所でテスト貼付してからやるといいと思います。

 シリコンスプレーは、工作用のものに性能のいいものがあるそうですが(へたなグリス系統ではあとで機構を痛めることがあります)、特にキーボード専用と謳ったものは値段が高かったりします。実はたまたま日曜大工店で買ってきた300円くらいのスプレーが当りだったようで、問題なく使えています。

 基本的にメカの部分の潤滑をよくするための措置ですので、最近のラバードームを使ったメンブレン式キーボードにこれを施してもあまり意味がないかもしれません。また、IBMのBuckling Spring系のキーボードにも無効です(基本的なスプリング構造から、そもそも軋みの生じる余地がありません。IBMはがんがん打ってスプリングをヘタらせるのが王道です)。ちなみに、メンブレン・キーボードの場合は、内部の「お椀型」のゴムの部分にカッターで切り込みをいれたりする方法があります。これでゴムの弾力を鈍くしようという荒業ですが、なにしろ一つ一つのドームの側面に切り込みを入れてゆくというタコ焼き作業が必要です(^^;)。

 キートップの差し替え

 キーの印字されている部分は経年変化によって変色したり、刻印が擦れたりすることがあって、何らかの部品取り用キーボードから駒を取ってきて差し替えます。上述のIBM 5576キーボードなどは、キートップ部が二重構造になっていて、表層の印字部だけをA01から002へ差し替えるといったことが簡単にできるようになっています。

 キートップを換えるのには、実はいちばん重要な理由があって、いまひとつ優れないキータッチがこのことで見違えるようによくなることがあるのです。これは微妙に材質が異なるためなのでしょうが、幸いなことにこの部位の取り付けはALPS系のスイッチではほとんど共通していますので、たとえばFILCOのキーボードにDELLの古いキーを差すといったことが可能です。外すための専用のグッズもありますが、そんなものはなくても金属製の耳かき等があれば十分でしょう。(ちょっとコツが要りますが、隣りのキーを支点にして一気に引き抜きます)。手持ちのキーボードのなかでは、FILCOやAcerのやや軽すぎるキーのものに差し替えを施してみたところ、しっとりとしたタッチに変りました。

 タイピングフォームの工夫

 これはキーボードとは直接関係ないのですが、長時間タイピングできるような自分なりのフォームを見つけることが意外に大事です。よくあるのがハンドレストを敷くという工夫ですが、私の場合は打鍵の際に手首で机の表面を軽く打ち付けるような、傍目にはけっこう癖のあるフォームをしています。ハンドレストもなしで済むように編み出した打法(?)で、どうやら手首の部分があたるところで指や肱への負担を軽減させているようです。

 もちろん教科書的な、肱をあげたスタイルでやれないこともないですけれども、これだと長時間の打鍵では腱鞘炎になるケースがあります。古いキーボードのような硬派なキーを相手にしていると、自ずから指も鍛えられているのでしょうか、なかなかこのフォームではいまの軽いタッチのキーボードが使いよくありません。まあタイピングフォームなどは各人がそれぞれ工夫すればよいので、余計なお世話かもしれませんね。

 マウスを左側に置いてみる

 これも余計なお世話ですが、よくテンキーレスの小振りなキーボードが好まれる理由として、右端に置いてあるマウスが近くなるというのがあるそうです。ところが私は左手でマウスを使っていますので、もとよりそのような要望に駆られたことがありません。実際、キーボードというものは左手の活躍する場面が多く、鬼のようにCtrlキーを多用する emacs 系のエディタでは小指が攣ってしまい、いまでは薬指と小指の両刀使いと化しています(史上最強といわれたIBM enhanced 101 と emacs のコンビは、また一面では腱鞘炎患者を大量に生みだした元凶です ^^;)。

 

この「左側マウス」のスタイルですと、ひょいと横に指を伸ばすだけでマウスが触れてひどく快適です。慣れれば違和感がなくなると思うのですが、・・・どうでしょう?

附記

▲ Topへ 
<< Homeへ